全国各地で「地震雲」の目撃ツイート相次ぐ!! 専門家に本物か聞いてみた! | ニコニコニュース



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TOCANA

 ここ数日、全国各地の空で奇妙な形の雲が多数観察され、ツイッターなどを通じて拡散、注意を呼びかける声が上がりはじめている。というのも、それと同様の奇妙な雲が、あの阪神・淡路大震災や東日本大震災の前後にも目撃されていたのだ。首都直下型地震や南海トラフ巨大地震について、複数の科学者が「いつ起きても不思議ではない」と指摘していることは周知の事実だが、とうとう“その時”が目前に迫っているということなのだろうか?

【地震雲の写真はコチラ→http://tocana.jp/2017/03/post_12652.html】


■決して軽視するな! 「地震雲」はある!

 まず、今回の空の異変について考察を進める前に、「地震雲」についての基礎知識をもう一度確認しておこう。

 巨大地震の前後に、自然界でさまざまな異変が見られることは、古くから指摘されてきたことである。奇妙な形の雲のほかにも、火山活動の活発化、陸上動物や海洋生物の異常行動、謎の発光体や光の柱、見慣れない虹(日暈・環水平アーク・白虹など)、さらに人々の頭痛や耳鳴り、予知夢などあらゆる「宏観異常現象」が報告されているのだ。とりわけ地震雲は人々が目撃しやすい異変であり、他の宏観異常現象と比べて報告例も格段に多く、その特徴は、概ね以下のように集約できる。

・ 低高度に発生する
・ 風に流されず、長時間消えない
・ 地震の規模にかかわらず発生する
・ 形状は「筋状」「洗濯板状」「波紋状」「放射状」「弓状」など多岐にわたる

 つまり、空を見上げたあなたが「何やら見慣れない形の雲がある」と感じ、それが低空でしばらく観察できた場合には、地震雲である可能性が高いというわけだ。

 地震雲を含む宏観異常現象について、地殻の変動によって放出されるパルス電磁波の影響ではないかと指摘する説はあるものの、依然として因果関係が証明された例はない。そのため、とかく宏観異常現象を「オカルト的なもの」として一笑に付す風潮も一部で見られるが、それは間違いだ。多くの人々が、巨大地震の発生前に、異変を目撃したり感じ取っていることは紛れもない事実。中国などは、国家レベルで宏観異常現象の解明に心血を注いでいるほどだ。現代の科学で解明することができないからといって軽視する姿勢こそ、被害拡大につながる危険に満ちた愚行といえる。


■30年の経験から分析する、ここ数日の「地震雲」

 では、ここ数日間で相次いでいる地震雲の出現をどのように捉えるべきか? 日本列島全体が大きな揺れに襲われるような超巨大地震が目前に迫っているのだろうか? まだ科学を頼りにすることができない現在、私たちが参考にすべきもの、それは“経験則”だ。

 そこで今回、トカナ編集部は地震関連の連載でもお馴染み、百瀬直也氏にコメントを求めた。30年以上にわたりデータ重視の超常現象研究、地震前兆分析に取り組んできた百瀬氏の見解は、以下のようなものだ。

「今回、全国各地で話題となっている不思議な形の雲ですが、その中で、いわゆる『竜巻雲』などと呼ばれているものは、『これが出ると大地震』とか『雲が湧き出ているところが震源』などといわれたりしています」

「たしかに、阪神・淡路大震災の前に撮影されたといわれる写真は有名ですが、実はあれは、湧き出ていたとされる地点が移動しており、長時間移動しないという特徴を持つ地震の前兆雲ではなかったといわれています。飛行機雲が風邪などで崩れたもだったのかもしれません」

「長年にわたり地震雲にフォーカスした研究に取り組まれてきた上出孝之氏の『わかりやすい地震雲の本』(北國新聞社)のカラーグラビアページに、『竜巻状の飛行機雲』と題した写真が載っていますが、これはまさに巷で『竜巻雲』と呼ばれ、大地震の前兆とされている雲に酷似しています。しかし上出氏は、この写真に対して『地震雲に間違えやすいが実は飛行機雲』とコメントしているのです」

「また、地震雲研究の先駆者とされる鍵田忠三郎氏(元・奈良市長)の地震雲に関する著作には、竜巻状の雲はまったく出てきません。ほかに、『あばら状の雲』または『肋骨雲』などと呼ばれる雲も、地震の前兆とされることもあるようですが、雨の前兆であるともされており、両者を見分けるのは至難の業です」

「もうおわかりだと思いますが、地震雲研究の世界は非常に奥が深く、一朝一夕には習得できるものではないのです。通常の気象雲と地震雲を見分けるのは、熟練を要するとともに、気象学や雲に関する十分な知識も必要となるでしょう。私自身は、地震雲という地震の前兆現象は存在すると考えます。通常、ネット上で騒がれている『地震雲』の中には、本物である可能性を持つものもありますが、しかし実際のところ大半は『フェイク地震雲』だったりします。やはり地震雲を本気で研究する場合は、まず気象学の学習から始めるべきでしょう」

「地震雲でも他の宏観異常現象でも、不安に思うことがあれば、まずは防災意識を高めて、いざという時の備えをもう一度確認する。そして、たとえ地震が起きなかったとしても『良い予行演習になった』と次につなげる、そんな姿勢が大切ではないでしょうか」


 今回の地震雲多発が、地震の前兆なのか、そもそも本当の地震雲と言い切れるのか、謎はますます深まるばかりだ。しかし百瀬氏の指摘通り、いつか必ずやって来る“その時”に備えて、もう一度気を引き締めるとともに防災意識を高め、避難経路を確認したり、備えを万全にすることこそ、現時点における地震雲への最良の対応といえるのだろう。

 ひとたび発生すれば、国を壊滅的な大混乱へと導くことが確実視されている首都直下型地震や南海トラフ巨大地震。あなた自身と大切な人を守るため、どんな小さな異変も決して軽視するべきではない。


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(出典 news.nicovideo.jp)