【野球】【WBC】大谷「投手断念」に小久保監督ショック 打者出場も微妙に
【アリゾナ州ピオリア31日(日本時間1日)発】侍ジャパンにまた悲報だ。日本ハムの栗山英樹監督(55)が大谷翔平投手(22)を3月に開催されるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に投手としては出場させないと発表した。昨年の日本シリーズで痛めた右足首が完治しておらず、投球練習するメドが立たないためだという。世界一奪回を目指す小久保監督は戦略の再考を迫られる。
翌日からキャンプインというこの日、栗山監督から衝撃発言が飛び出した。大谷を投手としてWBCに参加させないというのだ。本人と話し合ったという。
「WBCに向かって、投げるのは無理だと(侍)ジャパン側に伝えた。日本シリーズで痛めた(右)足首が治らない。チームに迷惑がかかるので決めた。(先発として1次ラウンドで)投げることはスケジュール的に無理」
マリナーズの岩隈久志(35)、レンジャーズのダルビッシュ有(30)、ヤンキースの田中将大(28)、ドジャースの前田健太(28)ら日本メジャーの先発陣が全員辞退した状況で大谷は世界一奪回を目指す侍ジャパンのエース。初戦となる3月7日のキューバ戦の先発が内定していた。それだけに戦力的には大きなマイナスだ。また、165キロ右腕を徹底マークし、警戒していた相手国にとっては精神的にアドバンテージになる。侍ジャパンにとって二重のショックだ。
投手が無理なら打者としてはどうか。昨年22本塁打した長打力、勝負強さは大きな魅力だ。栗山監督は「打撃に関しては状態が上がれば間に合うかもしれない。ただ、打者大谷を必要とするかどうかはジャパン側が決めること」と侍ジャパンに判断をゆだねた。
大谷は合同自主トレ最終日のこの日、午前中にフィールド2面を使ったジョギング、高橋広和トレーナーを相手にキャッチボールを15分ほど行うなど軽めのメニューで調整。キャッチボールは最大で40メートルほど。距離を延ばしていく過程で、濡れた芝生に足を滑らせて大きくバランスを崩す場面があり、周囲はヒヤリ。自ら両手を大きく広げて「セーフ!」とアピールしたものの、直後にキャッチボールを切り上げた。
1月下旬に両脚の張りを訴え、同29日(同30日)のアリゾナでの合同自主トレ初日を発熱のため、欠席するなど体調面が心配され、吉井投手コーチはアリゾナでの実戦登板を白紙としていたが、それ以上に状態は悪かったわけだ。世界一を誓っていた大谷は悔しいだろうが、今後の野球人生を考えれば仕方のない決断だ。それにしても二刀流エースの穴をどう埋めるのか。小久保監督は重すぎる課題を背負ってしまった。
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